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第778回東京定期演奏会

tsuchitani2025/03/06(木) - 19:41 に投稿

下野竜也が導く、シベリウス第6番の神秘の自然美

日本フィルにとってシベリウスは創立指揮者渡邉曉雄に由来する特別な作曲家です。第6番のシンフォニーはシベリウスによる比較的シンプル編成ながら壮大で神々しいまでのフィンランドの自然を描き切った大巨匠ならではの音楽です。映画『ピアノ・レッスン』の音楽を元に構成されたメロディックで幻想的なナイマンのピアノ協奏曲では、野田清隆による美しく響き渡るソロをご堪能頂きます。そしてオープニングにはムーサの《エリジウム》はラインナップ。2021年にウィーン・フィルによってスペインのサグラダ・ファミリアで初演された作品で、宇宙的な人智を超えた世界を垣間見せてくれる傑作です。

第777回東京定期演奏会

tsuchitani2025/03/06(木) - 19:36 に投稿

広上淳一が解き明かす最晩年の謎、ショスタコーヴィチ第15番

「闘う作曲家」をショスタコーヴィチが最晩年に遺した交響曲第15番は今もって謎に満ちています。ロッシーニやワーグナーを引用しつつ、道外や皮肉、エレジーを展開、そしてその裏には国によって翻弄された大作曲家の怒りと諦観が潜んでいます。前半は現代トルコが産んだ鬼才ピアニストであり作曲家でもあるファジル・サイのチェロ協奏曲「Never give up」を取り上げます。コロナ禍を契機に書かれたこの作品は、オリエンタルな歌と共に不条理への闘いを挑むという点でショスタコーヴィチとも共通するものがあります。ソリストにはこの作品を初演したカミーユ・トマが登場します。

第776回東京定期演奏会

tsuchitani2025/03/06(木) - 19:22 に投稿

山田和樹が描く、柔和と妖艶が交錯する音の世界

ここ最近イギリス・プログラムが続いた山田和樹と日本フィルですが、今回は久しぶりに邦人&フレンチ・プログラムに回帰します。武満徹の「My way of life」は、英訳された田村隆一の詩に、後期武満作品ならではの柔和で明朗な響きが包み込む幸福感に満ち溢れた作品です。後半冒頭は誰もが知るラヴェルのボレロで始まり、最後は同じくフランスの作曲家プーランクのシリアスかつ妖しい和声の美しさにも魅了される「スターバト・マーテル」をお贈りいたします。

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