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第670回東京定期演奏会<春季>

公演終了
サントリーホール

指揮:下野竜也 

【日本フィル・シリーズ再演企画 第8弾】
黛敏郎:フォノロジー・サンフォニック
林 光:Winds(第24作)
三善晃:霧の果実(第35作)
矢代秋雄:交響曲(第1作)
 

【年間定期会員券(全10回)】 S席\42,000 A席\35,000 B席\30,500 C席\24,500 P席\20,000 Ys席\13,000
【春季定期会員券(全5回)】 S席\23,000 A席\20,000 B席\16,500 C席\13,000 P席\11,000 Ys席\7,000
【1回券】 S席\7,200 A席\6,000 B席\5,200 C席\4,200 P席\3,200 Ys席\1,500

2012年7月定期で得た高い評価を踏まえ、今回も下野竜也の指揮でオール「日本フィルシリーズ」プログラムをお贈りします。傑作から秘曲にいたるまで、戦後日本で生まれた邦人作品4曲をご紹介いたします。
 「日本フィル・シリーズ」は、日本フィル創立期より始められた邦人作品の委嘱シリーズで、1958年の第1作(矢代秋雄「交響曲」)以来、演奏会での初演を前提とした日本の音楽史上でも例のない委嘱制度として現在まで続けられています。このシリーズは、当時常任指揮者であった故・渡邉曉雄氏の発案をもととして、作曲家は日本の代表的な大家から新人に至るまでの幅広い人材の中から選ばれ、その作品の傾向も古典的なものから前衛まで、多岐にわたるバラエティに富んだものとなっています。
 1957年5月28日に開催された第2回定期演奏会で初演(指揮:渡邉曉雄)された、黛敏郎の《フォノロジー・サンフォニック―交響的韻律学―』は、「日本フィル・シリーズ」という制度が創られる前に日本フィル委嘱作品。いわば「日本フィル・シリーズ第0作」とも言うべき楽曲です。黛のオーケストラ曲ならではの力強いパワーが随所で炸裂する―――平たく言えば、オーケストラがガンガン鳴る実に爽快な作品です。
 林光の《WINDS》(第24作 1974年6月25日初演 指揮:渡邉曉雄)は、その名の通り木管楽器の響きに重点を置いた静謐な作品。林は『風の又三郎』や荘子の一節を思い浮かべながらこの作品を書き進めたそうです。今回は1982年に作られた改訂稿での演奏となります。
 2013年に惜しくもこの世を去った三善晃の《霧の果実》(第35作 1997年1月16日初演 指揮:広上淳一)は、1990年代に書かれた一連の「交響四部作」の一つ。本作品は、不気味なまでの静けさと時空間を引き裂くような強烈な響が交錯する音楽です。死者への鎮魂や戦争への怒りも織り込まれ、聴き手にも相応の覚悟が必要となる深淵な時間が展開されます。
 そして公演最後を飾るのは記念すべき第1作、矢代秋雄の「交響曲」(1958年6月9日初演 指揮:渡邉曉雄)です。フランス留学から帰国した当時28歳の気鋭の作曲家が書いたこのシンフォニーは、初演以来現代にいたるまで再演が繰り返される、まさに20世紀を代表する傑作となりました。

【春季1回券発売日】

2014年5月29日(木)
【年間定期会員券発売日】

2014年12月4日(木)
【春季定期会員券発売日】

<主催>公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団
<特別協賛>三菱UFJニコス株式会社 フジテレビジョン
<協賛>鹿島建設株式会社 昭和シェル石油株式会社
    株式会社ティーガイア 三井不動産株式会社
    株式会社リョーサン パイオニア株式会社
助成:公益財団法人アフィニス文化財団
「音楽文化の担い手としてのプロ・オーケストラが主催する、わが国ならびに各楽団が活動の重点を置いている地域nにとって意義がある企画」として選ばれました。

選考理由:
 作曲家たちに新作オーケストラの作品創作の機会を与え、日本の音楽界に大きな刺激を与えてきた「日本フィル・シリーズ」。名だたる作曲家のほとんどがその恩恵に預かっている。画期的かつ野心的なこのシリーズからは、稔り豊かな作品が数多く登場したが、生を受けた作品たちにもういちど活力を与えるのが再演である。手にした宝物をさらに磨き上げる演奏会で、その宝物は以前には知られなかった、思わぬ輝き、光沢をさらに得ることだろう。
長木 誠司(アフィニス文化財団 オーケストラ助成委員)

助成: