メインコンテンツに移動

落合陽一×日本フィルプロジェクト VOL.8 《変幻する音楽会》

発売中
開演
( 開場 )

演出:落合陽一
指揮:海老原光
映像の奏者:WOW
鬼太鼓:畑野熊野神社祭典青年鬼組(佐渡市)*
トークゲスト:松田祐樹[NPO法人 佐渡芸能伝承機構理事長]
進行アシスタント:江原陽子

―プログラム―
畑野の鬼太鼓*
藤倉大:Demon Dance [承前啓後継往開来Ⅱ、日本フィル委嘱世界初演] *
ベルリオーズ:幻想交響曲より「野の風景」「断頭台への行進」「魔女の夜宴の夢」
ほか
※コンサート当日に会場ロビーにて、佐渡を体感するコーナーをご用意します。

料金[全席指定・消費税込]

SS席 ¥12,000(優先入場特典・お土産つき)
S席 大人¥8,000、子供¥2,500
A席 大人¥6,500、子供¥1,000
Ys席(25歳以下)・ダイバーシティ席(障害者手帳保持者)¥2,000

 

※子供:小学生~高校生(未就学児は入場できません)、Ys席:25歳以下の方対象/A席
※Ys席・ダイバーシティ席は日本フィル・サービスセンターのみで取り扱います。
※聴覚障害のある方にはXmodを用いた振動デバイスをご用意します。
(限定20席程度、対象席は後日販売開始予定、日本フィルのみ取扱)
※託児サービスがございます(事前申込制、有料)
 お問合せ:イベント託児®マザーズ TEL : 0120-788-222(平日10:00~17:00)

 


■落合陽一によるステートメント
長らく続けてきた落合陽一×日本フィルハーモニー交響楽団のプロジェクトを振り返っていた。我々がテーマにしてきたことは「耳だけで聞かない」こと、オーケストラの形態が「変態」すること、西洋と東洋、デジタルとアナログ、過去と未来、あらゆる二項対立が「交錯」すること、五感を通じたあらゆるカルチャーが「醸化」し発酵すること、コンサートホールの中と外、演奏と休止の如何に囚われず音楽があらゆるところに「遍在」すること、そして計算する万物が「帰納」しうる文化を探索すること。そういったテーマの全ては個別に存在することはなく、我々の文化を形作る全てのベクトルはつながっており、またこれからも繋がっていくのだろう。

オーケストラの奏でる楽曲はときに一神教的でもあり、多神教的でもある。禅的でもあれば、無宗教的でもあり、あるときは超現実を奏で、あるときは祭りと俗謡を奏でてきた。楽曲構成や演出の構成の中で、たびたびジョンケージの引用やナムジュンパイクの引用を行ってきた。そのプロセスの中で社会彫刻的なアプローチを行うこともあれば、プルリバーサルで多元的な価値観も取り入れつつ縄文からコンテンポラリーまで多くの要素が垣根なく混ざり合ってきた。その様子は「定在遊牧的」でもあり、「テクノ民藝的」でもあった。「事事無碍」でもあり、「物化する計算機自然の祝祭」でもあった。
このプロジェクトの標榜する「オーケストラの人の意地」は人間中心の輝きに限らない、美しい星々の光の一つだ。人間の意地が恒星の燦々たる輝きを与え、計算機自然的な現在において日本で奏でるオーケストラの意味を風土性と土着性の中に、西洋音階と東洋音階、静寂とノイズの間に探してきた。今年のテーマは祭りであり神事であり、農耕と祝祭からインスパイアされた遍在する神々と人の垣根ない変容である。「今ここ」は、すぐに「遠くどこか」になるとともに、「今ここ」でもあり続ける。風は笛、水は太鼓、言葉は変換とジャンプを生み、その言語行為の主体はすでに人間のみの手を離れている。計算機自然の祝祭はどのような交錯の響きを生み出すのだろうか。

農耕と祝祭、酒を酌み交わし、音楽に身を委ねるたびに、現実と非現実の境界は揺らぎ、幻想と妄想が入り混じる。それは、東洋と西洋の文化が融合する不思議な宴のようでもある。しかし、この曖昧さ、不安定さこそが、世界の本質なのかもしれない。私たちは、秩序という一時の幻想の中で生きているが、その根底には常に渾沌が潜んでいる。だからこそ、時には自由に混じり合い、溶け合う場を必要としている。この自由は西洋から輸入された自由ではない。万感が自然であるということであり、この自然も明治以降に作られた里山像や自由像の中で遊ぶという意味でもない。

私たちの行動や判断は、音楽に影響を与え、同時に音楽から影響を受ける。計算する主体であると同時に、計算される客体でもあるのだ。その主体と客体が高速に入れ替わる計算機自然の世界像は今醸成され続けている。この自然の遷移は、人間と機械、自然と技術の境界を曖昧にする。祭りの音色は、この新しい世界観を象徴している。笛の音は風となり、太鼓の響きは雨となる。自然と人間、幻想と現実、東洋と西洋、そしてアナログとデジタルが不安定のまま融合する。そこに描き出される姿は私たちの魂が、世界の計算に参加し、響き合い、世界像の不安定さを照らし出す瞬間だ。そこでは、秩序と無秩序、偶然と必然が入り混じっている。始まりと終わりの境界すら意識することがなく進んでいく、その祝祭とともに漂う喜びを抱いて、音楽会に参加してくだされば僥倖である。

■ VOL.8《変幻する音楽会》の特徴
●日本探訪企画第2弾は佐渡の鬼太鼓
鬼太鼓をキーワードに、鬼太鼓と西洋のクラシックの融合という壮大なチャレンジ(承前啓後継往開来Ⅱ)を通して、「地域を繋ぐ文化」を考えます。

●「オニ」から考える豊かさ—「オニは内、福は内」
佐渡の「鬼」は決して排除すべき存在ではなく、むしろ神の使いとして捉えられています。「オニ」を排除せず受け入れる暖かさと風土、鬼太鼓は土地に根差した人の豊かさの象徴とも思えます。
今回の公演は、このようなオニからいろいろなインスパイアを受けて選曲しました。

●テクノロジーで新たな「生音楽の喜び」を。生成AI×ベルリオーズの「プロンプト」
生成AIを用いた演出の取組は2年目となります。今年は、作曲家ベルリオーズが残したプログラム・ノートを「プロンプト」と見做し、人間と生成AI、音楽と視覚の隔たり、そして人をとりまくもの、こととの境界の意識を廃したところに浮かぶ宴を描きだします。

■あらゆる人々へ、地域へ、世代へ、世界へーオーケストラの可能性を追求
今年も、聴覚障害のある方への振動を用いたデバイス席、子供料金やダイバーシティ割(障害者割引)、託児サービスなどを用意します。


■サポーター募集:クラウドファンディングで仲間になりませんか?
フィールドワークやワークショップを通した「音楽の喜びあい」を支援してくださるサポーターも募集しています。コンサート前後に公演の喜びを拡げるイベントやアイテムをつけたご支援を呼び掛けています。
ご支援はクラウドファンディング「READYFOR」で承っています。皆様とともに、音楽による芸術ならではの喜びを拡げていきます。
・URL:https://readyfor.jp/projects/vol8
・期間:8月27日(火)23:00まで

■関連イベント
・コンサートを楽しむイベント
開演前のロビーにて「佐渡を楽しむコーナー」を計画しています。
また、クラウドファンディングREADYFORでは公演のGP(最終リハーサル)見学や関係者との交流会に参加いただけるリターンをご用意しています。

・サテライト公演(本公演終了後巡回します)
2024年10月21日(月)佐渡市にて計画中
2025年2月 計画中


■主催・企画・制作:公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団
*令和6年度日本博2.0事業(補助型)(独立行政法人日本芸術文化振興会/文化庁)


■共催:佐渡市
■協力:ジセカイ株式会社、WOW inc.、raw、TBWA HAKUHODO、サントリーホール、ほか
■機材協賛:株式会社プリズム

これまでの公演

・VOL.1《耳で聴かない音楽会》2018年4月22日 https://youtu.be/wJEKht0zix0     
・VOL.2《変態する音楽会》2018年8月27日 https://youtu.be/PJ6gJrnMRSs  
・VOL.3 Part1《耳で聴かない音楽会2019》2019年8月20日 https://youtu.be/aqDy9_Km5aM
・VOL.3 Part2 《交錯する音楽会》 2019年8月27日 https://youtu.be/jn5cg4YhRtk
・VOL.4《__する音楽会》 2020年10月13日 https://youtu.be/Ww9fLCB6-j0
・VOL.5《醸化する音楽会》 2021年8月11日 https://youtu.be/Ek-M4d_oGU8
・VOL.6《遍在する音楽会》 2022年8月25日 https://youtu.be/N9C74aZlo6I
・VOL.7《帰納する音楽会》 2023年8月23日 https://youtu.be/cB1KYHPuju4?si