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東北の夢プロジェクト

2022-12-16
被災地に音楽を 地域 東北

《日本フィルの被災地支援》

音楽家に、何が求められているのか。音楽家に、何ができるか。

©山口敦
©山口敦

2011年当時から地道に続けてきた東北の被災地での取組みが評価され、2017年、「被災地に音楽を」が「文化庁戦略的芸術文化創造推進事業」に採択されました。
この事業では、文化を通じて日本の創造的な未来を拓くための先行投資として調査研究の費用が認められています。
日本フィルでは三菱UFJリサーチ&コンサルティングに事業の調査研究を依頼。その結果、震災直後に特に必要とされていた「心のケア」に加えて

  • 文化芸術に触れる機会
  • 地域住民の交流の機会
  • 被災地の現状を外部に発信する

ことへの要望が高まっていることが分かりました。

調査研究の結果を受け、新たなニーズを強く意識し「音楽家に、何ができるか」を自問しつつ活動を進めるにつれて、現地の参加団体やコミュニティとの連携がいっそう深まってきました。
こうした経験を基にして、被災地からの文化発信を応援するための「東北の夢プロジェクト」構想が誕生したのです。

「東北の夢プロジェクト」

それは、子どもたちの夢と未来、笑顔を応援し、交流と発信の場づくりをすることを目的にしています。こうして日本フィルの東北地方への取組みは新しいステージに入りました。

東北の夢へのあゆみ

□2018年 ばばば!オーケストラ

音で楽しむ動物たち/赤澤鎧剣舞と出会う

2018年8月10日 リアスホール(岩手県大船渡市)

赤澤鎧剣舞を伝承する子どもたちとの共演と、それに先立ち子どもたちを対象に音楽ワークショップを実施しました。舞台上でその成果を披露するとともに、日本フィルの演奏によるサン=サーンス作曲「動物の謝肉祭」を演奏。子どもたちやお客様による参加型の要素を大いに盛り込んだ、コミュニケーションあふれる双方向型のコンサートとなりました。

伝統芸能を受け継ぐ子どもたちとの初めての共演となったこの公演の成功を受け、日本フィルというオーケストラ団体が当地の方々と手を取り合って「東北地方の文化を発信する」ことの手応えを感じさせるものとなりました。

©平舘平

2019年 楽しいオーケストラin岩手

オーケストラ!バレエ!みんなで歌おう!

2019年8月1日 岩手県民会館

東北の夢プロジェクト第1弾となった2019年での岩手公演では、前年に初めての共演を果たした赤澤鎧剣舞の子どもたちと、宮古高校吹奏楽部の皆さんが同じステージに上がりました。東京からはバレエ団も一緒に訪れ、オーケストラとバレエの共演を楽しんでいただきました。

会場となった岩手県民会館へは、岩手県沿岸地域の高齢者の方々をバスツアーでご招待。東北地方の地域間での交流を促すとともに、地元自治体や放送局・新聞社等も協力体制に加わり、さらなる発信力の強化を目指しました。

©山口敦
Ⓒ山口敦

□2020年 1日だけの「夏休みコンサート2020」feat.東北の夢プロジェクト

東京国際フォーラム

コロナ禍で軒並み中止を余儀なくされた「日本フィル夏休みコンサート」を東北の夢プロジェクトとのコラボレーションで1公演だけ実施しました。

コンサートでは「東北からの映像コーナー」として宮古高校吹奏楽部(岩手県宮古市)、赤澤鎧剣舞(岩手県大船渡市)、原町第一中学校吹奏楽部(福島県南相馬市)の子どもたちが登場(映像制作/井田裕基)。コロナ禍における彼らの思い、エールを音楽とともに届けてくれました。

この公演はライブビューイングも実施。岩手県宮古市民文化会館(主催:NPO法人いわてアートサポートセンター)、福島県南相馬市民文化会館ゆめはっと(共催:(公財)南相馬市文化振興事業団)にお客様が集まり、コンサートを楽しみました。

©山口敦
©山口敦

□日本フィル 東北の夢プロジェクト2021 楽しいオーケストラin岩手

2021年7月22日 岩手県民会館 

共演ゲスト:岩手県立宮古高等学校吹奏楽部 気仙町けんか七夕太鼓 

©井田裕基
©井田裕基

□東北の夢プロジェクト2022   楽しいオーケストラin岩手

2022年8月12日 岩手県民会館

共演ゲスト:黒沢尻北小学校合唱部(岩手県北上市)山田境田虎舞保存会(岩手県山田町)

© 山口敦
©山口敦

□東北の夢プロジェクト2022 楽しいオーケストラin福島

2023年1月8日(日) けんしん郡山文化センター(福島県郡山市)

共演ゲスト:南相馬市立原町第一中学校吹奏楽部、郡山合唱塾

https://japanphil.or.jp/concert/20230108

福島県ではこれまで2020年、2021年と〈東北の夢プロジェクト〉の開催に向けて準備をしていましたが、新型コロナウイルス感染症や地震の影響で残念ながら中止が続きました。今年度も、もともとは8月に開催を予定していましたが、3月に発生した地震の影響で、ホールが使えなくなり、延期を余儀なくされました。
こうした中、ようやく1月8日に、初めて福島県郡山市での〈東北の夢プロジェクトin.福島〉が実現しました。
事前訪問を経て迎えた1月8日の本公演では第一部に日本フィルの演奏をお届けし、第二部のゲストコーナーで両団体が演奏を披露しました。
原町第一中学校のステージでは、金管打楽器八重奏と木管打楽器八重奏が出演しました。大規模な吹奏楽の演奏とは少し違った、生き生きとした音楽を南相馬市の地域を超えて広く福島県内の方にお届けすることができました。
郡山合唱塾の演奏は、コロナ禍による活動休止を経た今だからこその「歌う喜び」がひしひしと伝わってくるものでした。
公演の最後には合唱団と日本フィルが合同で東日本大震災の直後に南相馬市立小高(おだか)中学校で生まれた合唱曲《群青》を演奏し、会場は感動に包まれました。

Ⓒ菅野マコト
Ⓒ菅野マコト

□東北の夢プロジェクト2023 楽しいオーケストラin岩手

2023年8月2日(水) トーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館)

共演ゲスト:夏井大梵天神楽(久慈市立夏井中学校)・滝沢市立滝沢中央小学校 特設合唱部

https://japanphil.or.jp/concert/20230802

□東北の夢プロジェクト2023 楽しいオーケストラin福島

2023年8月19日(土) けんしん郡山文化センター(福島県郡山市)

共演ゲスト:福田十二神楽保存会(新地町)・FTVジュニアオーケストラ(指揮:小川裕)

https://japanphil.or.jp/concert/20230819