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首席指揮者 ピエタリ・インキネン 契約延長のお知らせ(2021年9月~2023年8月)

2021.05.10

日本フィルハーモニー交響楽団は現首席指揮者ピエタリ・インキネンとの契約を2021年9月より2年間延長することを決定いたしましたので、謹んでお知らせいたします。
2009年9月より首席客演指揮者、2016年9月からは首席指揮者として共に歩んできた両者は、ついに12年目のシーズンを迎えることになります。

新型コロナウイルスの影響でインキネンとの共演の機会は2019年10月以来奪われてしまっています。せっかくスタートした「ベートーヴェン・ツィクルス」も、そしてインキネンがいよいよ2020年バイロイト音楽祭で挑もうとしたワーグナーの演奏機会も失ってしまいました。2019年度のヨーロッパ・ツアーを足がかりに、より一層の飛躍を目指した日本フィルとインキネンにとって、その芸術的ダメージの大きさは計り知れません。このまま「フェードアウト」という形で両者の関係が終わってしまうのはあまりにも残念であり、10年以上にわたって築いてきた礎をコロナ禍を理由に放棄することは決して出来ません。

そこで2年間の延長を通じて「リベンジ」を果たし、インキネンとのドイツ音楽の本流を求める旅を続けようと決意いたしました。
そしてアフターコロナとなった際には、日本フィルのオーケストラ・コンサートらしいかつての活気を取り戻し、お客様との「感動の共有」をしたいと願っております。

日本フィルは今後も首席指揮者ピエタリ・インキネンと共にオーケストラとして模索すべき道を着実に歩んでまいります。引き続きご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

 

ピエタリ・インキネンよりメッセージ

 

日本フィルの首席指揮者として、コロナ禍のもと一年以上にわたり音楽を共に創ることができずにいる今、さらに2年間の道のりを一緒に歩めることを大変嬉しく思います。
2019年に13年ぶりのヨーロッパ・ツアーを実現した後に、2020年シーズンに予定していたベートーヴェンを中心としたプロジェクトを完結したいと思います。

この世界的なパンデミックは我々音楽家の生活を大きく変え、日本フィルも大変な試練の時を過ごしております。

この困難な時期が一刻も早く終わりを迎え、日本フィルの指揮台に一日も早く戻れる日を願いつつ、これからも皆さまの変わらぬご支援をお願いいたします。

 

As Chief Conductor of the Japan Philharmonic Orchestra, I have not had the opportunity to make music with the orchestra for over a year due to the coronavirus situation, so I am very pleased that the orchestra and I will be able to continue our journey together for two more years.
Following the realization of the 2019 European tour (the orchestra’s first European tour in 13 years), I would like to complete the project focusing on Beethoven which had been planned for the 2020 season.  
The worldwide pandemic has greatly changed the lives of musicians. This has been a very challenging time for the Japan Philharmonic as well.
I sincerely hope this difficult period comes to an end as quickly as possible, and that it will soon be the time when I can return to the Japan Philharmonic conductor’s podium. I will be grateful for your continued support.

ピエタリ・インキネン

 


 

ピエタリ・インキネン[首席指揮者]

世界各地で活躍の場を広げ注目を集めるインキネン。ザールブリュッケン・カイザースラウテルンドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団、日本フィルハーモニー交響楽団の首席指揮者を務め、同団では、2009年より首席客演指揮者、2016年より首席指揮者に就任。現在任期は21年9月より2年間延長し、23年夏まで予定されている。
2019年1月にプラハ響を率いて3週間の日本公演を行い、4月には日本フィルと共にフィンランド、ドイツ、オーストリア、英国への13年ぶりのヨーロッパツアーを実現。この時、日本とフィンランドの国交100周年を記念し、ヘルシンキとインキネンの故郷コウヴォラも訪れた。
ワーグナーの音楽はインキネンの活動の紛れもない中心であり、2020年夏のバイロイトでヴァレンティン・シュヴァルツ演出の『指環』全曲の新プロダクションを指揮すべく招待されたが、コロナ禍により中止となり、21年は《ワルキューレ》で予定されている(指環は2022年に延期)。日本フィルとのワーグナー『ニーベルングの指環』も毎回高い評価を受けている。2013年に《ワルキューレ》、2016年の首席指揮者就任披露演奏会で《ジークフリート》および《神々の黄昏》の抜粋、2019年には《ラインの黄金》全曲演奏(いずれも演奏会形式)を行っている。
客員指揮者として、コンセルトヘボウ管、北ドイツ放響、ベルリン・シュターツカペレ、ミュンヘン・フィル、スカラ・フィル、ロサンゼルス・フィル、イスラエル・フィル、バイエルン放響、バーミンガム市響、ヘルシンキ・フィル、スウェーデン放響、オスロ・フィル、ドレスデン・シュターツカペレ、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管等と共演。
オペラではフィンランド国立歌劇場、ブリュッセルのモネ劇場、ベルリン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場に出演。ドレスデン国立歌劇場では、大成功した新プロダクションの「エフゲニー・オネーギン」を数回指揮している。
これまでに、2015年から2020年までプラハ交響楽団の首席指揮者、2008年から2016年までニュージーランド交響楽団の音楽監督を務め、現在は名誉指揮者の称号を持つ。
ヴァイオリニストの一面も持ち、ケルン音楽大学でザハール・ブロンに師事し、ヘルシンキのシベリウス・アカデミーでさらに指揮を学び始めるまでに、ソロ活動で様々な賞を受賞している。現在も、弾き振りや常連の音楽仲間との室内楽演奏を楽しむ。

ピエタリ・インキネン公式ページ http://www.pietariinkinen.com/

公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団