第28回(2020年度)渡邉曉雄音楽基金 音楽賞・特別賞受賞者発表

第28回(2020年度)渡邉曉雄音楽基金 音楽賞・特別賞受賞者発表

◆音楽賞  沖澤のどか(指揮者)

◆特別賞  豊田泰久(音響設計家)

 

◆音楽賞  沖澤のどか(指揮者)

「略歴」 

青森県出身。東京藝術大学音楽学部指揮科首席卒業。同大学院修士課程修了。ハンス・アイスラー音楽大学ベルリン修士課程指揮専攻修了。
第56回ブザンソン国際指揮者コンクール優勝。同時に聴衆賞、オーケストラ賞を受賞。第18回東京国際音楽コンクール〈指揮〉にて第1位及び齋藤秀雄賞を受賞。
オーケストラ・アンサンブル金沢元指揮研究員。
指揮を高関健、尾高忠明、クリスツィアン・エーヴァルト各氏ほかに師事。下野竜也、井上道義、パーヴォ・ヤルヴィ、クルト・マズア、リッカルド・ムーティ各氏の指導を受ける。
ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団、東京都交響楽団はじめ国内外多くのオーケストラを指揮。
2020年8月よりベルリン・フィルハーモニー管弦楽団にてキリル・ペトレンコ氏のアシスタントを務める。

「授賞理由」

沖澤のどか氏は、2011-2012年、オーケストラ・アンサンブル金沢指揮研究員を務めるなど研鑽を重ねた後、2018年、第18回東京国際音楽コンクール〈指揮〉にて、女性として初めて第1位及び特別賞、齋藤秀雄賞を受賞し注目を集めた。本選でのメンデルスゾーン:序曲「静かなる海と幸せな航海」は、すべての審査員から大絶賛を受ける類まれな出来だった。その後、ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝、聴衆賞、オーケストラ賞を受賞し、小澤征爾さん以来の快挙と熱い注目を集めるが、引き続きドイツを起点に研鑽を続け、2020年9月からはベルリン・フィルで首席指揮者キリル・ペトレンコ氏のアシスタントを務めることが決定している。
活躍の場を無理に広げず、ヨーロッパ起点に交響楽と劇場音楽双方の研鑽を着実に積み重ねる沖澤氏は、数少ない日本での公演でいずれも目覚ましい成果を挙げている。この先活動の場を大いに広げ日本のみならず世界での活躍が目に見える逸材として、渡邉暁雄音楽基金音楽賞として先の活躍を期待されるに相応しい。

 

◆特別賞  豊田泰久(音響設計家)

「略歴」 

1952年、広島県福山市生まれ。1977年(株)永田音響設計入社。現在、ロサンゼルス事務所とパリ事務所の代表。これまでに担当してきたコンサートホールや多目的ホールのプロジェクトの数は80以上にのぼる。
代表的なものにサントリーホール(1986年)、ロサンゼルスのウォルト・ディズニー・コンサート・ホール(2003年)、ハンブルグのエルプフィルハーモニー(2017年)等。いずれも国際的に大きな脚光を浴びている。
2004年8月、Art Center College of Design (California), Bard College (New York) 2大学より名誉博士号授与。
2012年5月、日本音響家協会賞受賞。

「授賞理由」

豊田泰久氏は世界を代表する音響設計家の一人であり、現在、最も世界に羽ばたいている音楽関係者と言えるだろう。現在アメリカとパリを拠点にする同氏は、サントリーホール(1986年開館)、ミューザ川崎シンフォニーホール(2004年)、札幌コンサートホールキタラ(1997年)など数々の名コンサートホールを設計し、世界中から来日した演奏家にその素晴らしさを認められ、日本の音楽環境の向上に寄与、その後ウォルト・ディズニー・コンサートホール(2003年、ロサンゼルス)、エルプフィルハーモニー・ハンブルク(2017年)を始め世界に数々の名コンサートホールを誕生させていった。
ホールの音響もまた<楽器>であることの認識を世界的に深め、「豊田さんの設計したホールで演奏する私たち音楽家は本当に幸せだ」(尾高忠明)と、音楽家とともに「音楽への貢献」を続けている豊田氏の業績は、まさに渡邉暁雄音楽基金特別賞を受賞するに十分相応しい。

 

渡邉曉雄音楽基金 受賞者一覧

第1回 (1993年度) 音楽賞:大野和士 特別賞:延命千之助
第2回 (1994年度) 音楽賞:広上淳一 特別賞:村川千秋
第3回 (1995年度) 音楽賞:該当者なし 特別賞:小川昂、鈴木清三、田中諄
第4回 (1996年度) 音楽賞:高関 健 特別賞:該当者なし
第5回 (1997年度) 音楽賞:該当者なし 特別賞:佐治敬三
第6回 (1998年度) 音楽賞:金 洪才 特別賞:石丸寛
第7回 (1999年度) 音楽賞:沼尻竜典 特別賞:松原千代繁
第8回 (2000年度) 音楽賞:大友直人 特別賞:長岡實、江藤俊哉
第9回 (2001年度) 音楽賞:該当者なし 特別賞:該当者なし
第10回 (2002年度) 音楽賞:下野竜也、藤岡幸夫 特別賞:上原正二
第11回 (2003年度) 音楽賞:佐渡 裕 特別賞:渡邊正治、山本直純
第12回 (2004年度) 音楽賞:阪 哲朗 特別賞:三善晃
第13回 (2005年度) 音楽賞:飯森範親 特別賞:草刈津三
第14回 (2006年度) 音楽賞:該当者なし 特別賞:金山茂人、大川内弘
第15回 (2007年度) 音楽賞:上岡敏之 特別賞:小野寺昭爾氏、日本フィル九州公演連絡会議(団体)
第16回 (2008年度) 音楽賞:該当者なし 特別賞:岩城宏之
第17回 (2009年度) 音楽賞:該当者なし 特別賞:ジャン・フルネ、財団法人アフィニス文化財団
第18回 (2010年度) 音楽賞:該当者なし 特別賞:若杉弘、日本近代音楽館
第19回 (2011年度) 音楽賞:該当者なし 特別賞:小澤征爾 特別支援:仙台フィルハーモニー管弦楽団
第20回 (2012年度) 音楽賞:山田和樹 特別賞:中藤泰雄
第21回 (2013年度) 音楽賞:該当者なし 特別賞:永田穂
第22回 (2014年度) 音楽賞:該当者なし 特別賞:児玉幸治
第23回 (2015年度) 音楽賞:川瀬賢太郎 特別賞:ユベール・スダーン、秋山和慶
第24回 (2016年度) 音楽賞:該当者なし 特別賞:アレクサンドル・ラザレフ、池辺晋一郎、井上道義
第25回 (2017年度) 音楽賞:該当者なし 特別賞:外山雄三、堤剛
第26回 (2018年度) 音楽賞:該当者なし 特別賞:エリアフ・インバル
第27回 (2019年度) 音楽賞:該当者なし 特別賞:本名徹次、山田正幸
第28回 (2020年度) 音楽賞:沖澤のどか 特別賞:豊田泰久