このたび公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団は、新理事長として石塚邦雄氏を選任いたしましたことをお知らせ申し上げます。前理事長平井俊邦は、会長として引き続き楽団運営に携わってまいります。今後とも何卒皆様のお引き立て、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
退任のご挨拶
このたび理事長を退任致しました。専務理事を通算すると18年、激動の中、皆様からの温かい支援の輪に助けられ、日本フィルの成長を見ることが出来ました。心より感謝申し上げます。
オーケストラの再建を使命付けられ専務理事に就任、「財政基盤の強化」「あくなき演奏力の向上」を経営目標に掲げ出発しましたが、多くの試練が待ち受けていました。まず債務超過からの脱出です。10年の歳月を要しました。リーマンショック、東日本大震災、新公益法人移行、コロナ禍等、次々と難問が押し寄せました。しかしその都度、楽団員の必死の努力に加え、人々の温かいご支援の輪が生まれ、奇跡とも思える復活を成し遂げることが出来たのです。日本フィルは幸せ者です。感謝の気持ちで一杯です。財政状況も強化され、ようやく経営も安定してきました。演奏力の向上については、アレクサンドル・ラザレフ、ピエタリ・インキネン、カーチュン・ウォン、小林研一郎、広上淳一、山田和樹の定期演奏会の常連指揮者陣の活躍により、演奏水準は目覚ましい飛躍を遂げたとの評価をいただいています。
社会からの要請に応える社会性活動も大きな発展を見せています。とりわけ〝被災地に音楽を〟の活動は東日本大震災被災者に音楽を届け〝心の復興〟を支援する活動で、既に360回を超えました。「後藤新平賞」受賞が地道な活動に火を灯してくれましたが、その火は炎となり、岩手県・福島県との音楽文化・復興活動の連携協定へと拡がっています。
日本フィルと共に過ごす中で、生の演奏が人の心を鷲づかみにし、閉じていた心すら開かせる場面を見聞きしてまいりました。〝音楽のもつ力〟の強さ、大きさに導かれ今日を迎える事が出来ましたこと、心より感謝致します。
後任の理事長には経済界でも大きな足跡を残している石塚邦雄氏をお迎えいたします。卓越した手腕を持つ石塚新理事長を支え、日本フィルのさらなる飛躍を目指してまいります。これまで以上のご愛顧、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団会長 平井 俊邦
就任のご挨拶
このたび平井俊邦氏の後任として理事長に選任され就任いたしました。皆様には日頃より日本フィルとその演奏を愛し、厚いご支援を賜りまして心より御礼申し上げます。
平井前理事長には激動の18年間を見事な統率力と経営力で牽引され、日本フィルをさらなる高みへと導いていただきました。また「被災地に音楽を」に代表される社会貢献活動は、今日、日本フィルの特別な使命にまで発展いたしました。
オーケストラの経営というものは決して一筋縄には行かないものと、理事長の重責に身の引き締まる思いでおりますが、平井前理事長のご功績と熱意から大いに学び、努力して参りたいと存じます。
日本フィルハーモニー交響楽団は、1956年の創立以来、より多くの人々に音楽の素晴らしさをお届けすべく活動を続けて参りました。2026年には創立70周年という大きな節目を迎えます。芸術的にも、より一層高みを目指し、新たなる挑戦へと進むことができましたら、これ以上の喜びはございません。
楽団員とともに精進して参りますので、皆様には引き続き温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。
公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団 理事長 石塚 邦雄
石塚 邦雄(いしづか くにお)
三越伊勢丹ホールディングス元社長/会長1949年生まれ。1972年東京大学法学部卒業後、三越入社。2005年代表取締役社長執行役員、2008年三越伊勢丹ホールディングス代表取締役社長執行役員に就任、2012年から代表取締役会長執行役員を経て2020年退任。在任中は経団連副会長、日本住宅協会会長等の重職を歴任。現在はウエルシアホールディングス、伊藤忠商事の社外取締役をつとめる。
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