「日本フィル・シリーズ」は、日本フィル創立期より始められた邦人作品の委嘱シリーズで、1958年の第1作(矢代秋雄「交響曲」)以来、演奏会での初演を前提とした日本の音楽史上でも例のない委嘱制度として現在まで続けられています。 このシリーズは、当時常任指揮者であった故・渡邉曉雄氏の発案をもととして、作曲家は日本の代表的な大家から新人に至るまでの幅広い人材の中から選ばれ、その作品の傾向も古典的なものから前衛まで、多岐にわたるバラエティに富んだものとなっています。またこれによって初演された曲の中には、すでに“古典”と呼ぶにふさわしいポピュラリティを獲得したものも少なくなく、日本フィル以外の内外オーケストラによって再演されたり、さまざまな賞を獲得したりと枚挙にいとまがありません。
(掲載写真)山本直純:和楽器と管弦楽のためのカプリチオ【日本フィル・シリーズ第10作】
指揮:下野竜也箏:片岡リサ 三味線:野澤徹也 尺八:石垣征山 邦楽打楽器:望月太喜之丞・黒坂昇・冨田慎平 竜笛:西川浩平 ドラムス:三浦肇 ギター:尾尻雅弘