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カーチュン・ウォン[首席客演指揮者] 日本フィル首席指揮者就任決定!!(2023年9月~)

2022.05.18

日本フィルハーモニー交響楽団は、2023年9月よりカーチュン・ウォン(現・首席客演指揮者)を首席指揮者に迎えます。任期は5年を予定。

年3回のサントリーホールでの東京定期演奏会をはじめとして年間12公演を予定、九州公演はもちろんのこと日本の津々浦々まで音楽を届けてまいります。そして日本フィルが足を運んでいないアジア諸国への楽旅も目指していければと考えています。
オーケストラ公演にとどまらず、日本フィルの大きな特徴でもある社会貢献、教育活動と地域活動、東北地方でおこなっている「被災地へ音楽を」の活動にも積極的に関与していただきたいと考えています。
モダニストでありながら古き良き伝統を受け継ぐ次期首席指揮者カーチュン・ウォンと日本フィルの今後に、どうぞご期待ください。

記者会見の模様は後日公開いたします。

 

カーチュン・ウォンよりメッセージ

日本フィルハーモニー交響楽団の皆様とこれまで以上に深く、密接に関わることが出来ることに、光栄であると同時に身の引き締まる思いです。私はいつもどの演奏会もそれが地球上で最後の演奏会だと思うように指揮をしています。ですから、作曲家が紡いだ一音一音を逃すことなくホールに響かせたい。そして、日本フィルハーモニー交響楽団とは、この想いを共にし、叶えることが出来ると強く信じています。

私のレパートリーには、マーラー、バルトーク、シベリウス、細川、武満、伊福部などの作品の数々、そして、ベートーヴェン、ブラームス、ワーグナー、ラフマニノフなど、私の好きな作曲家の作品があります。また、あまり知られていないカリンニコフやミャスコフスキーの作品にもとても心惹かれています。もちろん、どの作曲家にもそれぞれの音のカラーがあります。しかし、敢えて申し上げるならば、私の理想とするオーケストラの音は、「昭和のプリン」の様な、とても豊かで甘美で、甘すぎず、どこか大人っぽい苦味があり、どこかカタイ音でなければならないと思っています。柔らかすぎると、音の輪郭や構成がはっきりしなくなる。ジェラートのようにクリーミーであったり、レアチーズケーキのようにふわふわであってはならない。日本フィルハーモニー交響楽団の皆様とは、この様な「昭和のプリン」のような音作りを目指していきたいと思っています。

日本フィルハーモニー交響楽団の皆様が私に寄せてくれている信頼に感謝をし、今まで以上に濃密な音楽づくりに励みたいと思います。

 

 

《これからの演奏会》
■第740回東京定期演奏会
2022年5月27日(金)、28日(土)サントリーホール
ピアノ:務川慧悟*
ソプラノ:三宅理恵**
伊福部昭:ピアノと管絃楽のための《リトミカ・オスティナータ》*
マーラー:交響曲第4 番ト長調**
【配信】https://members.tvuch.com/member/classic/161/

■第135回さいたま定期演奏会
2023年1月14日(土)埼玉会館
■第399回名曲コンサート
2023年1月15日(日)サントリーホール
ギター:村治佳織
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
ベートーヴェン:交響曲第3番《英雄》

■第747回東京定期演奏会
2023年1月20日(金)、 21日(土)サントリーホール
伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ
バルトーク:管弦楽のための協奏曲

■第384回横浜定期演奏会
2023年1月28日(土)横浜みなとみらいホール
■第244回芸劇シリーズ
2023年1月29日(日)東京芸術劇場
ピアノ:小菅優
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
ラフマニノフ:交響曲第2番

■第750回東京定期演奏会
2023年5月12日(金)、13日(土)サントリーホール
チェロ:佐藤晴真
ミャスコフスキー:交響曲第21番《交響幻想曲》
芥川也寸志:チェロとオーケストラのためのコンチェルト・オスティナート
ヤナーチェク:シンフォニエッタ

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《これまでの共演歴》
■第728回東京定期演奏会
2021年3月5日(金)19時、6日(土)14時 サントリーホール
オーボエ:杉原由希子[日本フィル首席奏者]
ショスタコーヴィチ:室内交響曲
R.シュトラウス:オーボエ協奏曲
ベートーヴェン:交響曲第6番

■第736回東京定期演奏会
2021年12月10日(金)19時、11日(土)14時 サントリーホール
トランペット:オッタビアーノ・クリストーフォリ
アルチュニアン:トランペット協奏曲
マーラー:交響曲第5番
【配信】https://members.tvuch.com/v/classic/122/

■第377回横浜定期演奏会
2022年5月14日(土)17時 ミューザ川崎シンフォニーホール
■杉並公会堂シリーズ2022-23 第1回
2022年5月15日(日)15時 杉並公会堂
ヴァイオリン:南紫音
モーツァルト:歌劇《後宮への誘拐》序曲
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
ドヴォルジャーク:交響曲第7番
【配信】https://members.tvuch.com/member/classic/160/

 

<カーチュン・ウォン 首席指揮者就任決定 マーラ:交響曲第5番リハーサル映像>
 

 

カーチュン・ウォン プロフィール

シンガポール出身の指揮者カーチュン・ウォンは、ニュルンベルク交響楽団首席指揮者、そして、日本フィルハーモニー交響楽団首席客演指揮者を務める。
ミュージカル・アメリカ誌で「その音楽性の深さと誠実さ」と評されるウォンは、2016年グスタフ・マーラー国際指揮者コンクールで優勝、その名を世界に知られることとなる。
2021/2022年のハイライトは、クリーヴランド管弦楽団、デトロイト交響楽団、シアトル交響楽団、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団、東京都交響楽団へのデビュー、そして、バンベルク交響楽団、バレンシア管弦楽団、東京交響楽団との再共演、武満徹の演奏機会の少ない「ARC」を取り上げた“武満徹 弧[アーク]”公演が挙げられる。2020/2021年シーズンには、マスコミに称賛されたニューヨーク・フィルハーモニックへのデビュー、そしてチェコ・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団へのデビューに加えトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団、イル・ド・フランス国立管弦楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、読売日本交響楽団との共演も果たす。
故クルト・マズアの愛弟子であるウォンは、晩年はしばしば指揮台を共にする機会に恵まれる。2016/17年にロサンゼルス・フィルハーモニック ドゥダメル・フェローシップ・プログラムを拝命。また、ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学にてオーケストラ/オペラ指揮の音楽修士号を取得。
ウォンは、東南アジア出身の音楽家としての自身のこれまでの歩みを通し、人を突き動かし向上させる音楽の力に強い信念を抱いている。2016年グスタフ・マーラーの孫娘であるマリーナ・マーラーとプロジェクト・インフィニチュードを共同設立。シンガポールの非営利機関であるチャイルド・アット・ストリート11と活動を密にし、恵まれない多様な背景を持つ100人以上の子どもたちを支援した。2019年、BR-KlassikとStadtsparkasse Nürnbergとともに、ドイツの子どものための非営利団体Sternstunden e.V.への寄付を募る共同テレビプロジェクトPACHELBEL.VIER.NULLを立ち上げた。
2020年の新型コロナウイルス感染症流行の折には、シンガポールで毎年開催されているチャリティーイベント「ChildAid」のために、1000人以上の世界各地のミュージシャンと共にベートーヴェンの「喜びの歌」のデジタルシンガロングを行い、Straits Times School Pocket Money Fund と Business Times Budding Artists Fund に約200万ドルの寄付を集めた。
2019年12月、33歳という若さでシンガポールとドイツの文化交流並びにドイツ音楽文化の海外普及における献身的な取り組みと顕著な功績により、シンガポール出身の芸術家として初めてドイツ連邦大統領より功労勲章を与えられた。

2022年5月18日