落合陽一×日本フィルプロジェクトVol.10 《離見する音楽会》 クラウドファンディング実施
落合陽一×日本フィルプロジェクトVol.10 《離見する音楽会》の公演情報が公開されました。
なお、本日9/1より一般発売、及びクラウドファンディングがスタートしました。
落合陽一×日本フィルプロジェクトVol.10 《離見する音楽会》 14:00
2026年11月23日 (月) 14:00/17:00
横浜能楽堂
演出:落合陽一
シテ方観世流:梅若紀彰(能楽監修、出演)
シテ方観世流:梅若景英
日本フィルハーモニー交響楽団メンバー
ヴァイオリン:田野倉雅秋[ソロ・コンサートマスター]
ヴァイオリン:末廣紗弓
ヴィオラ:小中澤基道
チェロ:門脇大樹[ソロ・チェロ]
フルート:真鍋恵子[首席奏者]
ドビュッシー(富田勲):月の光<4CHシンセサイザー音源>
能楽「井筒」より
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番《グラーヴェ》
ドホナーニ:弦楽三重奏のためのセレナードより第3楽章
能楽「嵐山」より
武満徹:エア
能楽「山姥」より
ペルト:スンマ(弦楽四重奏+舞)
ラヴェル:弦楽四重奏曲より 他
SS:10,000円 ※日本フィル・READYFORのみ取扱
S:8,000円
A:6,000円
Ys(25歳以下、A席より選択)/車いす・同伴(1名まで):2,500円 ※日本フィルのみ取扱
ダイバーシティ料金(障害者手帳保持者):SS:5,000円、S:4,000円 A:3,000円 ※日本フィルのみ取扱
| 【落合陽一ステートメント】 我々はこれまで,耳で聴かないこと,変態すること,交錯すること,双生すること,醸化すること,遍在すること,帰納すること,変幻すること,そしてnull²すること——西洋から輸入された編成を,計算機自然の側からどのように再構築できるかを問うてきた.藤倉大氏との承前啓後継往開来三部作《Open Leaves》《Demon Dance》《Water Mirror》は,琉球,佐渡,万博を経由しながら,日本の伝統音楽をオーケストラと計算機自然の中で再帰させる試みとして昨夏に一つの到達を見た. 今年,我々はオーケストラそのものを能舞台へ運ぶ.会場は横浜能楽堂.本舞台,橋掛かり,白洲,四本柱,そして鏡板に描かれた影向の松.能舞台は単なる演奏空間ではない.それは神霊が降り立つ依代を内包した儀礼装置であり,時間と空間が二重化する場である.ここで楽団を編成し直すとき,「客席に向けて演奏する」というモダンな前提自体が問われる.能舞台では,演者は橋掛かりを通って彼岸から此岸へ至り,本舞台で舞ったのち,再び橋掛かりを戻っていく.観客はその往還を,白洲を挟んで距離をもって眺める.同じ空間にいながら,同じ時間を共有しない. 世阿弥は『花鏡』で「離見の見」を説いた.演者が自らの舞を客席から,さらに客席の外から,もう一度離れて眺める眼差し.目前心後——目は前を見ながら,心は背後にある自分自身を見る.これは舞の技法であり,同時に認識の技法でもある.私が長く考え続けてきた計算機自然において,いま最も切実な問いは,人間が自らの主体性を客体として観察する眼差しをどう保つかという問題である.AIが私を見ている.データが私を計算している.私はその計算の中の客体でありながら,なお主体としての離見を持ち続けられるか.能舞台はその問いに対する六百年前からの応答である. 演者が自分を遠くから見るように,我々も我々自身の文明と感覚を,能舞台という六百年の眼差しの装置を通じて遠くから見直す.観客と演者,自然と文化,人間と計算機,過去と未来.それらの距離を一度遠ざけ,もう一度近づける.その往還のなかで音が立ち上がる瞬間に立ち会いたい.横浜能楽堂の白洲を越えて,橋掛かりの奥から,影向の松の前に,計算機自然のオーケストラが立つ.離見の音が,いま,響き始める. |
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