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11月に登場する前首席指揮者インキネンよりメッセージが届きました!

2024.10.25
Ⓒ藤本史昭

ピエタリ・インキネン

「日本フィルとの仕事は、私にとって常にかけがえのないものです。この15年間、最初は首席客演指揮者として、その後は首席指揮者として共演を重ね、私たちが互いを理解し素晴らしい関係を築いていったことは、東京で、そしてツアーで、聴衆の皆様こそが見つめてくださったことと思います。日本フィルが極小の細部や繊細なニュアンスに敏感に応えてくれるのも、我々が音楽的にとても相性が良い証拠です。2023年5月の最後の共演から1年半が経ちましたが、こうして再会できることをとても嬉しく思っています。この間、私はバイロイトの『指環』やベルリンの『タンホイザー』など、特にオペラ分野で経験を積み、日本フィルも音楽的な成長を遂げ、それら全てが今回のコンサートで発揮されることでしょう。

アルプス交響曲は、自然やその力を描写した最も色彩豊かな芸術作品のひとつです。リヒャルト・シュトラウスの最後の交響詩であり、同ジャンルでは前作『家庭交響曲』から10年以上を経た1915年に完成されました。リヒャルト・シュトラウスはその間、『サロメ』や『エレクトラ』といった代表作を含むオペラに集中していたのです。アルプス交響曲で特に魅力的なのは、シュトラウスが巨大な管弦楽のパレットを巧みに使いこなし、麓の夜の暗闇から山頂への到達まで鮮やかに描写していることです。オーケストレーションの真の傑作であり、言葉を使わずに物語を語る、演奏するにも聴くにも最も爽快な曲のひとつです。山での24時間が描かれ、山頂に辿り着き、再び夜が訪れる前に戻るまでの様子を語っています。私はツェルマットに家を持ちアルプスの山中で過ごすことが多いので、この作品には特に親しみを感じています。山に帰れば、ハイキングは私の好きなアクティビティのひとつです。

共演する神尾真由子さんは優れたヴァイオリニストで、ザハール・ブロンに師事し、チャイコフスキー・コンクールの優勝者でもあります。グラズノフのヴァイオリン協奏曲は、ロシアの流れを汲む彼女にはとても合っていると思います。私たちは2017年、共通の恩師であるザハール・ブロンの70歳の誕生日を祝うコンサートに共に参加しました。このコンサートはとても思い出に残っています。今回の共演を心から楽しみにしています!」

11月23日(土)17:00 横浜みなとみらいホール
https://japanphil.or.jp/concert/20241123

11月24日(日)14:00 サントリーホール
https://japanphil.or.jp/concert/20241124

指揮:ピエタリ・インキネン
ヴァイオリン:神尾真由子
グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲
R.シュトラウス:アルプス交響曲