2022年1月14日、15日第737回東京定期演奏会のプログラムが決定いたしました。
新春の定期は箏を巡る「和」と「維納(ウィーン)」を繋いだ「ある物語」 来る1月の東京定期演奏会は日本の新春に相応しく箏をソロに迎えた公演を行います。世界的作曲家石井眞木が遺した箏のためのコンチェルト《雅影》と、この作品と縁が深い古典の箏曲「乱輪舌(みだれ)」を組み合わせたプログラム。ソリストには現代邦楽の世界を牽引する遠藤千晶を迎えます。そして冒頭には「こと」繋がりで竪琴をテーマにしたシューベルトのロザムンデ(魔法の竪琴)の音楽を取り上げます。 後半に演奏されるのはブラームスの交響曲第3番。なぜブラームスと箏の組み合わせか。その答えは守屋多々志≪ウィーンに六段の調(ブラームスと戸田伯爵極子夫人)≫という絵画に由縁します。ブラームスはウィーンにおいて、外交官の妻が奏でる箏の音を楽しんだという史実に基づいています。 今回のプログラムでは日本とウィーンの文化的な交流の歴史を辿ります。
●第737回東京定期演奏会 【発売中】 2022年1月14日(金)19:00、15日(土)14:00
指揮:阪哲朗 筝:遠藤千晶 シューベルト:劇音楽《ロザムンデ(魔法の竪琴)》序曲 八橋検校:乱輪舌(箏 独奏) 石井眞木:箏と管弦打楽のための《雅影》 八橋検校:六段の調(箏 独奏) (休憩) ブラームス:交響曲第3番
最新の情報は公式Webサイト(https://www.japanphil.or.jp/)でご確認ください。
阪哲朗(指揮)
阪 哲朗は欧米での客演も数多く、おもにドイツ、オーストリア、スイス、フランス、イタリアなどで約40に及ぶオーケストラ、歌劇場に招かれ成功を収めている。日本においては、主要オーケストラ、新国立劇場、二期会などのオペラ団体を指揮している。 これまでに、ビール市立歌劇場専属指揮者、ブランデンブルグ歌劇場専属第一指揮者、ベルリン・コーミッシェ・オーパー専属指揮者、アイゼナハ歌劇場音楽総監督、レーゲンスブルク歌劇場音楽総監督を歴任。現在、山形交響楽団常任指揮者、びわ湖ホール芸術参与。 2008/09年の年末年始に、ウィーン・フォルクスオーパーで同劇場の年間のハイライトとも言うべき公演である「こうもり」を指揮し、地元ウェブ・サイト"オペラ・ウィーン"では『成功した大晦日』と題して、"阪哲朗によるオーケストラは、躍動感あふれる熱のこもった演奏をした。弦楽器には官能的に悦びにふける何かがあった"と絶賛された。ドイツ国内はもとよりヨーロッパ各地の歌劇場における過去25年間に指揮した舞台作品数は約70演目、通算公演回数は1000回以上にのぼる。
京都市出身。京都市立芸術大学作曲専修にて廣瀬量平氏らに師事。卒業後、ウィーン国立音楽大学指揮科にてK.エステルライヒャー、L.ハーガー、湯浅勇治の各氏に師事。 山形大学での公開講座や東京藝術大学、国立音楽大学より特別招聘教授として招かれるなど、後進の指導にも力を注いでいる。 95年ブザンソン国際指揮者コンクール優勝。 96年京都府文化賞奨励賞、97年ABC国際音楽賞、2000年京都市芸術新人賞、ホテルオークラ音楽賞、04年渡邉暁雄音楽基金音楽賞、06年藤堂顕一郎音楽賞、20年京都府文化賞功労賞受賞。
遠藤千晶(筝)
福島県出身。東京藝術大学音楽学部卒業、同大学大学院修了。3歳で初舞台、13歳で宮城会主催全国箏曲コンクール演奏部門児童部第一位入賞。大学卒業時には、卒業生代表として皇居内・桃華楽堂にて御前演奏。2002年第8回長谷検校記念全国邦楽コンクール最優秀賞、文部科学大臣奨励賞、2008年平成19年度第62回文化庁芸術祭新人賞、2017年第38回松尾芸能賞新人賞受賞。2009年以降、箏協奏曲の演奏に意欲的に取り組み、国内外のオーケストラ~日本フィルハーモニー交響楽団(2014,2016,2018,2021)、東京シティフィル・ハーモニック管弦楽団(2009,2021)、東京交響楽団(2011)、神奈川フィルハーモニー管弦楽団(2013)、オーケストラ・アンサンブル金沢(2013)、シアトル交響楽団(2015)、関西フィルハーモニー管弦楽団(2015,2020)~と協演。演奏活動とともに後進の指導育成に務め、『中学生の器楽』(教育芸術社)はじめ教科書等に掲載されている。また、遠藤千晶箏リサイタル「凜―soloist―」(2009)、「傳―つたえ―」(2011)、「brillante」(2013)「ザ・コンチェルト」(2016)、「遠藤千晶×日本フィルハーモニー交響楽団コンチェルトin福島」(2018)を開催し、それぞれ同タイトルのCD・DVDを、さらにそれまでの集大成CD「遠藤千晶箏協奏曲の軌跡」(2018)をリリース。2021年、日本フィルハーモニー交響楽団を迎えて遠藤千晶箏リサイタル「clear」を開催。現在、生田流箏曲宮城社大師範、宮城合奏団団員、日本三曲協会会員、森の会会員、妙祐会会主。
2021年12月6日