落合陽一×日本フィル プロジェクトVOL.6 《遍在する音楽会》 委嘱作品タイトル決定のお知らせ

 

落合陽一×日本フィルプロジェクトでは「映像の奏者」をメンバーに擁し、映像をライブ生成して生の音楽と共演する、という「視覚と聴覚の融合」に取り組んでいます。VOL.6となる今回は満を持して、映像と音楽がライブ共演する曲を新たに生み出す、という取り組みにチャレンジにすることとしました。

8月25日の落合陽一×日本フィルハーモニー交響楽団プロジェクトVol.6《遍在する音楽会》では、このコンセプトで前例のない楽曲を藤倉大に委嘱、初演いたします。このたびその新作タイトルが下記のとおり決定しました。

 

藤倉大作曲

メディアアートとオーケストラのための「for null」

  ――落合陽一「Re-Digitalization of Waves」に寄せて

 (日本フィルハーモニー交響楽団委嘱作品)

 

■公演情報はこちら
https://japanphil.or.jp/concert/25058

 

タイトルを決定した落合・藤倉両氏のコメント

◆「null のために」。null には「空(くう)」から生じえる縁起の関係性、の意味を込めた。
時間と空間、音と映像の関係性を考えている。映像から作られる音楽、まだ定義されえない実態をイメージすることにより、互いの関係を想起させる関係。「ここには“ない”がある」。(落合)

◆タイトルのfもnもoも曲線が美しい。そして、落合さんの作品には、日本語の「ぬる」っとした感じは、確かにある。それもよいな、と思いました。(藤倉)

 

新作は、落合陽一のメディアアート作品「借景,波の物象化」をもととした映像作品群「Re-Digitalization of Waves」(2022)から、藤倉大がコラージュの形での新たな表現を構想、当日は映像と演奏がどちらもライブパフォーマンスで創出されます。海老原光指揮日本フィルが奏でるライブの音楽に、「映像の奏者」WOWが作品の1パートを担うという例のない表現。日本発の新たな作品の誕生にご期待ください。

 

【藤倉大】作曲にあたり

この度は落合陽一さんと、日本フィルから、落合さんのメディアアート作品とのコラボでオーケストラ曲を、と依頼を受けた。

落合さんの作品は、本も、アート作品もかなり前から知っていた。

オーケストラ作品の新作で、となると、楽譜に書かれた音楽は本番前日くらいのリハーサルでしか耳で聴くことができない。
そうだと創作過程上のコラボレーションとは名ばかり、の形になってしまう。
そこで、僕は前のダンスの舞台作品でもしたように、自分のオーケストラ作品の録音を自分で切り刻んで作るコラージュ作品にしよう、と提案した。そうすることによって、落合さんも、映像に関わるチームも、録音物として、まず作品を聴くことができるからだ。

その提案をした後、なんと今回の落合さんの映像作品もコラージュの手法が使われている、と聞き、よりそうすることが成功の道だ、と思った。

早速落合さんから映像の断片、素材を一挙にいただき、僕の好きなようにまず映像を並べたり、入れ替えたりしてみて、コラージュ作品を作るアイデアを得た。
コラージュ作品は、一から作るより難しく感じるし、制限も感じるが、そこもチャレンジだ。
自分の作品の録音をDJのように構築していくその作業を、ブルガリアの山の麓、フランスのブリュターニュへのユーロスターで、などいろんな景色に囲まれながら作業をした。楽譜から離れての創作、というのはいつも楽譜に向き合わないといけない僕としては楽しい。
その日その日作るたびに、作ったものを落合さんに送ってみて、落合さんからは「面白い!」と言ってくださったりして、どんどんと進めていった。
コラージュ作品が録音上でできたものを楽譜に今度は仕上げないといけないのだが、やはりその作業中に新しく作曲し直したりもした。

落合さんからは「水の流れのような生命の複雑性を感じました。」と言ってくださり、この曲から最終的にどんな映像が生まれるのか、が楽しみ。
このように、創作過程上のコラボレーションが、かなり密で落合さんとすることができ、とても刺激的だった。
本番が楽しみです。

藤倉大

大阪生まれ。15歳で単身渡英しベンジャミンらに師事。数々の作曲賞を受賞、国際的な委嘱を手掛ける。15年にシャンゼリゼ劇場、ローザンヌ歌劇場、リール歌劇場の共同委嘱によるオペラ《ソラリス》を世界初演。19年に尾高賞、文化庁芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。20年にオペラ《アルマゲドンの夢》を新国立劇場で世界初演。数々の音楽誌において、その年のオペラ上演におけるベストに選出された。近年の活動は多岐に渡り、リモート演奏のための作品の発表や、テレビ番組の作曲依頼も多数。録音はソニー・ミュージックジャパンインターナショナルや自身が主宰するMinabel Recordsから、楽譜はリコルディ・ベルリンから出版されている。https://www.daifujikura.com/ 

 

■公演情報はこちら
https://japanphil.or.jp/concert/25058

【クラウドファンディングREADYFOR】6/1(水)12:00〜8/8(月)23:00
「遍在する音楽会|8/25 世界は、音楽に満ちている。」
https://readyfor.jp/projects/vol6